1597年 信仰の自由を失った日
旅の始まりは、長崎において
キリスト教の布教が始まり、
信仰の自由を手に入れるまでの
約300年の歴史を学びます。
この後に向かう外海・出津地区の史跡の
予備知識を得られる場です。
キリスト教の布教を足がかりに日本が植民地化されるのではないか。そう恐れた当時の日本の支配者であった豊臣秀吉が京都や大阪などで捕えた宣教師などのキリスト教徒26名を、当時の日本におけるキリスト教布教の中心地、長崎まで連行し、処刑した場所が、日本二十六聖人記念館の建つ西坂の丘です。1597年のことでした。
日本にキリスト教を伝えたフランシスコ・ザビエル直筆の手紙をはじめ、禁教時代に掲げられていた高札、潜伏キリシタンが危険を顧みず隠し持っていたロザリオや肖像画、マリア観音、家の柱に隠されたマリア像などの貴重なキリシタン資料に加え、長谷川路可のフレスコ画等の優れた美術作品も展示されています。
こうした文化的価値のある貴重な展示物の数々は、カトリック・イエズス会によって設立された私設の施設であることから、入館料や寄付によって維持・管理を続けることができます。
すべての展示物について、その人の人柄がわかるこぼれ話やユーモアを交えながら流暢な英語で説明をしてくれます。質問をすれば即座に答えてくれる幅広い知識の持ち主です。
1549年、イエズス会設立者の一人、ザビエルの上陸によって日本での布教が始まったキリスト教。貿易によって富を得ようとする大名と、貧しい人々にも手を差し伸べる慈悲の心に触れた人々が洗礼を受け、日本にキリスト教が広まって行きました。
アジアで最初の殉教者となった26名をはじめとして、江戸時代初頭の禁教令と島原の乱以後の徹底的な弾圧、幕末の浦上で起きた4度の「崩れ」による信徒の迫害を経て、1889年大日本帝国憲法の発布により、ようやく信仰の自由が認められる、300年もの長きにわたる長崎におけるキリスト教の歴史を辿ります。
日本二十六聖人記念館
住所:長崎県長崎市西坂町7-8
営業時間:9:00-17:00
駐車場:西坂公園駐車場 10台