おいしさを求めることは、
いつだって自由でした。
出津に暮らすオーナーたちと
コミュニケーションをとりながら、
芋の収穫やスライスといった
かんころ(干し芋)作り(秋季限定)や、
そのかんころを使ってこの地に伝わり続ける
かんころ餅作りを。
そして、作業(体験)のあとは、おいしいかんころ餅づくし御膳をみんなで一緒に頂きます。
知識 外海発祥の食、かんころ餅
表向き、キリスト教徒であることを隠しながら暮らしたのは目立たない小さな山村。平地が少なく、作物も育ちにくい場所でした。育つ作物は、芋。山村では貴重な日本人の主食・米の量を増幅させ、さつま芋をいっしょに練り込んだ餅が、かんころ餅。それは、生きるためにお腹を満たす工夫でした。
春に訪れた場合にはもち米の田植えを。秋に訪れた場合には、芋掘り体験や、芋を洗って皮を剥き、スライスした後、薪の窯で茹でて硬くなるまで1週間天日干しにする作業をお手伝い。干し芋のことを、外海では親しみをもって「かんころ」と呼びます。このかんころをもち米といっしょに蒸して、ついたものを、型にハメてつくるのがかんころ餅。古くから行われていた手法を用いて、かんころ餅づくりをします。
高齢化や人口減少で作る人が減ってきたかんころを、この旅で訪れる人とともに作ることによって作業が軽減します。また、ここに住む人々が地元への想いにあらためて気づき、かんころ餅を大切にすることで、地域の歴史や文化の継承につながります。
出津出身の「舎長」杉山さんがふるさとに戻って2021年に開いたのが出津農楽舎。さつま芋を育て、もち米をつくり、かんころ餅の下準備から後片付けまで全てを請け負っています。
出津農楽舎を始めるまでは、小学校の先生。東京生まれ、神奈川育ちで、長崎に来て杉山さんのかんころ餅への強い想いに感銘を受け、今では寝ても醒めてもかんころ餅のことばかり考えるカフェ店長です。
平地が少ない出津で畑をつくるために用いられたのが、温石石(おんじゃくいし)。急峻な斜面地で土の流出を防ぐためには、石垣が必要でした。開墾する時に土の中から数多く出てくる温石石が平らに加工しやすく、石積みに用いられました。家の周りや斜面の畑、そして出津農楽舎のカウンターまで、至る所に昔ながらの石積みの風景が見られます。
サステナブル・ポイント
さつま芋は農薬を使わず栽培し、もち米は有機栽培。環境にも人にもやさしい方法で育てることで、自然のおいしさを大切にしています。
地域の人々とふれあい、人と自然をどちらも感じるかんころづくりやかんころ餅づくりが終わったら、かんころ餅づくしのランチを。現代の料理に取り入れたさまざまなかんころ餅の食べ方で、味わいます。気候のいい時期には、お店の外で。帰りにはお土産にかんころ餅をお持ち帰りいただけます。
サステナブル・ポイント
体験は、地元の人とコミュニケーションをとりながら当時に近い手作業で行われます。山あいの出津に訪れる人が増えることで、伝統の製法を受け継ぐことができます。
出津農楽舎
住所:長崎県長崎市西出津町2442
営業時間:土曜日9:00-17:00
日曜日11:00-17:00 月曜日11:00-17:00
駐車場:あり